第6話
カタン――。
翌日の早朝。。
いつものように登校して上靴に履き替えた咲は、下駄箱の前で静かに息をついた。
(そういえば名前、聞かなかったな……)
昨夕、咲に囁きかけたお姉さんは「じゃあね」と小さく手を振り静かに公園を後にした。
流れるような所作で、一度も振り返る事なく立ち去る彼女はまさに咲の憧れる”大人の女性”だった。
熱にあてられたようにポーっとしていて、咲は別れの挨拶すらできないままになってしまっていた。
流されるまま会話していたからすっかり忘れていたが、よくよく思い返せば名前も連絡先も聞いていない。
お姉さんは「東京に帰る」と言っていたのだから、偶然出会う確率も低いだろう。
この先二度と会えないかもしれないと思うと、何だか寂しい思いだった。
――私みたいになれば、きっとまた会えるよ。
頭をよぎるお姉さんの言葉。
再会する目処は一切立たないが、同じような趣味を持てばいつかは――ということだろうか。
そう考えると、咲が見た”未来の自分”の行動の理由も見えてくる。
(やっぱり……)
あの時、咲がまた会えるか訊いたのはあくまで咄嗟だったから。
現時点では『機会があれば、また会ってみたいな』程度の消極的な意見しか抱いていない。
けれど経験上、”今”と”未来”の行動に大きな乖離がある時、大抵はそこに”無意識下の本音”が隠れている。
今回もそうだとしたら。
(……私、またお姉さんに会いたいのかな。だから、学校であんなことを……)
ゴクリと喉を鳴らす。
ようやく、謎の未来の行動の答えが見えてきた。
そして一度そうと認識してしまうと、どうしてもその想いがどんどん膨らんでしまう。
試しにやってみるくらいは――。
(――バ、バレなければ……)
キョロキョロと周囲を見渡して無人なことを確認する。
早朝の校舎は閑散としていて、多少何かをやったところで見つかるとは思えない。
――今なら、”あんなこと”をやっても……!
反射的にスッと両手をスカートの裾まで持っていき、一旦手を止める。
一気だ。こういうことは、一気にやらないといけない。
自分に言い聞かせて、すぅっと大きく息を吸い込んだ。
(せぇー……のっ!)
心の中で勢いを付け、両手をスカートの中に突っ込んだ。
何かを考える間もなく、素早くパンティをひき下ろして足から抜き、隠すように手の中にぎゅうと丸める。
ライトブルーの布の塊をスカートのポケットに入れ、咲は逃げるようにその場を後にした。
*****
心臓がバクンバクンと大きく跳ね、今にも胸から飛び出しそうだ。
(……やった……やっちゃった……!)
教室まで一気に駆け抜けた咲は、肩で息をしながらふらふらと自席に鞄を置いた。
誰かに見つかったわけでもなく、また迷惑をかけたわけでもない。
それなのに、何かとんでもないことをしでかしてしまったような背徳感に襲われていた。と同時に、妙な達成感があって頬が緩んでしまう。
これがあのお姉さんがハマっていた感覚なのだろうか。
だとしたら、病み付きになるのも頷ける。
「ふーー……――」
身体の熱を吐き出すように、深く息を吐く。
けれども、心音は落ち着かないし火照りも全然取れない。
スカートの中はスーッとして落ち着かず、時間が経つにつれ全身が昂ぶっていく感じさえしていた。
――大丈夫。きっと、気持ち良いから。
お姉さんの囁きを思い出し、ゾク、と小さく身体がわなないた。
下着を脱いだだけ。それだけでこうもゾクゾクするなんて、咲は予想だにしていなかった。
もし――もし、全て脱いだりなんかしたら――。
「………………っ!」
首をぶんぶん振って、傾きかけた思考を追い払う。
これ以上は、ダメだ。試してみるだけのはずが、戻ってこれなくなる。
(……下着……穿かなきゃ)
ついでに顔でも洗って気を落ち着けようと、咲はフラフラとトイレに向かった。
第6話ここまで
第一話
未来視できる少女が見た、自分の露出行為
第二話
教室で全裸露出プレイを楽しむ未来の咲
第三話
コートの下は全裸な露出狂のお姉さん
第四話
美人なお姉さんが露出する理由
第五話
露出狂への階段を登る少女
第六話
ついに下着を脱いでノーパンになる女子中学生
第七話
トイレで全裸露出する未来の自分からの露出のお誘い
第八話
露出狂なお姉さんへのほのかな憧れを胸に、教室で脱ぎ出す少女
第九話
校内で全裸露出する咲ちゃん14歳
第十話
超絶ピンチ!!露出プレイを楽しんでいたら、人が来たよ!
第十一話
女子中学生が教室でオナニー、そのまま絶頂へ!
第十二話
下半身を露出したままで教室で教師とご対面
第十三話
数年後、コートを羽織った露出狂の女がそこに
最終話