第七話
五年越しのクリスマスプレゼント。
男から男への贈り物とは言え、相手は親友・穴兄弟。
死ぬ数日前に依頼したというプレゼントとならば、その中身は気になる。
いざ運ばれてきたプレゼント箱は、しかし残念ながらぐっちゃり凹んでしまっていた。
「本当に申し訳ありませんでした!」
謝罪はいいよ、と俺は繰り返しているのに、それ以上の謝罪を西島ヒナノは繰り返した。
「俺がなかなか応答しなかったこともあるからさ、その腹いせに踏みつけたってことにしちゃえばいいんじゃないかな?」
「とんでもないですっ!
本当に、落としてしまった時に足で……踏んでしまいまして……」
ほとほと申し訳なさそうに頭を垂れる西島ヒナノ。
その割りには俺の居留守に必死に抗議していたようにも思えるのだけれど……と記憶を辿る。
軽いノックならまだしも、隣室まで響きそうなほどドアを打ち鳴らしていたではないか。
あの勇ましさはどこに行った?
「箱の大きさに対して、びっくりするほど軽いし……それほど大きな物が入っているわけでもなさそうだ。
馬場の奴、箱だけ大きくしやがって」
とりあえず受け取ったプレゼント箱をテーブルの上に置きながら、さて展開が自分の予想からどんどん外れていくのを修正しなくてはならないなと自分に言い聞かせる。
我が分身とも言える性器は、西島ヒナノを前にして完全にカチコチになっている。
今からでも遅くはない。
ぶん殴って昏倒させ、好き勝手に犯せばいいじゃないか。
「……プレゼントの中身が壊れているかどうかって、西島さんと一緒に確認しなくちゃダメなのかな?」
「あ、いえ、そういうわけでもないです。
もしも壊れていた場合には、破損の確認をさせて頂きたいだけですので」
「じゃあ申し訳ないけど、箱は隣の部屋で開けさせてもらうね」
「はい、構いません」
「その間、西島さんはケーキを切り分けて食べててよ。
ノンアルコールの飲み物も準備してあるし」
「いえ……お構いなく……」
気弱になっている西島ヒナノを尻目に、俺は隣の部屋にプレゼント箱を持って入る。
萎れたリボンと裂けた包装紙をはぎ取ると、中から現れた段ボール箱を開梱する。
「……おいおい、なんだこれ……」
馬場健一郎が五年越しに俺に贈った品物とは……なんとも奴らしい品物だった。
―――
――
「西島さん、中身を確認させてもらったよ」
「……破損はございましたでしょうか?」
俺はリビングに戻り、所在なげに突っ立っていた西島ヒナノに声を開けた。
いくぶん声のトーンを落とし、いかにも先行きの悪そうな雰囲気を漂わせてやる。
「うん、やっぱりダメージがあるね。
どういう対応をしてくれるんだろうか、ドリームプレゼンターとしては?」
「あ、その……本当に申し訳ありませんでした。
牛島様にご納得頂けるようにしっかりと保証などの対応をさせて――」
「中身は唯一無二の思い出の品だったよ?」
西島ヒナノの言葉に重ねて言ってやる。
「……そ、それは本当に、本当に申し訳ありませんでし――」
「謝ってくれるのはいいんだけど、でも保証もなにも効かない品物だったよ?
取り替えも効かないし、金銭にも換えられない品だ」
青ざめる西島ヒナノにぴしゃりと言う。
「御社ドリームプレゼンターの『ドリーム』とは夢という意味合いの他に、差出人の想いなどを喩えているんじゃないのかい?
今回の例で言えば、馬場健一郎の想いを届けるのが君たちの仕事のはずなわけだろう?」
「は、はい……全くその通りです」
「誰にでもミスはある。
一日に何千、何万の配達をこなしている運送業社なら、こういうミスは珍しくないだろうよ?
けど『ドリームプレゼンター』で、このミスはどうなんだ?」
まさか――と俺はことさら感情的に吐いた。
「西島さんは破損させてしまった荷物を会社に持ち帰りたくなかった――そうじゃないのか?」
西島ヒナノの瞳が揺れた。
「俺がすぐに応答しなかったのは悪いと思うよ?
しかし、あんな風にドアを叩く配達員は君が初めだ。ドアを叩き、大声を上げて……なんて非常識なんだろうと思ったよ、夜の10時過ぎだよ?
けれど、なるほど、そういう事情か」
「ぃ、いえ……ちが、違うんです……」
「『ドリームプレゼンター』が大切な配達物を壊してしまっては、会社の面目丸つぶれだからね。
当然、破損させた配達員である西島さんへのペナルティも小さくはないはずだ。
だから君は罰を受けるのを恐れて、会社に知られる前に何が何でも俺に荷物を受け取らせて業務を完了させたかった、と。
たとえ配達物を破損させてしまっても、受取人がそれを会社に申し出ずに受領してしまえば君は罰せられないからね。
西島さん、先ほどから何度も頭を下げて謝罪してくれているけど、『保証の効かない想い出の品だから謝り倒せば諦めてくれる』と甘い見通しを持ってるんじゃないのかな?」
謝罪一辺倒だった西島ヒナノを貫く言葉を浴びせると、もう顔面蒼白の少女が震えて立っているだけになった。
無論、俺の追撃はやまない。
「初めからおかしいと思ったんだ。『配達が完了しなければ退勤できない』なんて会社があるだろうかと。
もしかして荷物は以前から破損させていたんじゃないのか?
君は会社に荷物を置いておきたくなくて嘘を吐いたんだ」
「……破損させてしまったのは、本当に今日のことで……」
「信用ならないね」
「……ぅぅ」
なんと初々しいほどに打たれ弱い子なんだろうと思いながら、俺は西島ヒナノに厳しい視線を送っていた。
意志の強そうな子だなぁと思ったものの、やはり経験の浅い年若い女の子。
荷物を破損させたら、そりゃあ会社からは怒られるだろうけれど、それまでのことだ。
反省文なんかを書かせられて、減給もあるかもしれないが、そうだとしても命まで奪われることは決してない。一生を捧げるほどの会社じゃないだろうし、万が一クビになったとしても転職先は探せるだろうにね。
いよいよ静かに泣き出した西島ヒナノがずいぶん小さく見えた。
冬物の厚手のコートを脱がせたら、配達員という肉体労働者には思えぬほど華奢なのは想像に難くなかった。
高卒の新入社員なんだろうか、それとも学生バイトなんだろうか、西島ヒナノという少女が泣くのを慰めることなく、俺はさらに言うのだ。
「馬場が『可愛い配達員を』と要望したらしいね?
それも本当だろうか? 君の嘘じゃないの?」
「ち、違います」
綺麗な金髪を揺らしながら、西島ヒナノは涙目で訴える。
俺はその瞳を凝視してやりながら、一歩、二歩と西島ヒナノに歩み寄る。
「西島さん……」
「……ぇ?」
「『可愛い配達員』の君は、破損の件を許してもらうためなら『可愛い女』になるつもりだったんでしょ?」
「……? え、どういう……」
「いいよ、今回はそれで許してあげる」
地獄の淵で聞こえる優しい悪魔の囁きのように、俺は西島ヒナノの耳元で語った。
そうして羽毛を抱くように西島ヒナノを抱き締めると、薄いリップの唇に唇を重ねてやった。
第七話ここまで
第一話
可愛い少女の配達員
第二話
少女を睡眠薬で眠らせてレイプへ
第三話
ディルドゥやバイブ、ローターを点検しつつ、少女を待つ
第四話
可愛い女の子だからいじめたくなる
第五話
少女を密室に誘い込んでレイプへ
第六話
少女の弱みに付け込んで
第七話
恐喝して少女の唇を奪う
第八話
電話させながらアナルに指を挿入
第九話
アナルに指入れ。そして睡眠薬を
第十話
微睡む少女へクンニリングス
第十一話
少女のアナルを巨大ディルドゥに叩き込む
第十二話
アナルとクンニで同時責めで少女は絶頂に
第十三話
子宮を突き上げ、少女をイカせ続ける
第十四話
まるで3P。二穴プレイで少女に中出し、絶頂へ
最終話