第二話
西島ヒナノはクリスマス前日にも再度確認の連絡を寄越した。
「明日の午後10時にお伺いさせて頂くお約束でしたが、牛島様のご都合は宜しいですか?」
「大丈夫だ。
それにしても悪いね、クリスマスだっていうのに、俺への配達が終わらないと退勤できないんだって?」
「気にしないで下さい。
どうせ友達と飲み明かすだけのクリスマスですから」
「『可愛い女の子』だっていうのに、それは寂しいね」
俺への荷物を届けてくれる専属の配達員・西島ヒナノは、荷物の送り主の『可愛い女の子を配達員に』という要望を受けて選ばれた配達員だった。
もちろん、可愛いの定義なんて曖昧なものだから、西島ヒナノが醜悪な化け物であることも可能性として否定しきれない。
なんだかデリヘル嬢を迎える前の期待感と不安感が湧き上がってくる。
と同時に、配達時間を詳細に確認してくる辺りには、同伴出勤を求めるキャバ嬢のようだとも言えなくもない。
荷物の送り主である馬場健一郎と死に別れてからというもの、風俗通いとも縁が切れ、恋人もおらずの寂しい五年間を過ごした。
一生忘れることはできない親友の馬場健一郎。
奴の名前を再び誰かの口から聞くことになるとは思ってもいなかった。
ましてや、それが『可愛い女の子』とは。
この五年間、薬を飲まなくては不完全な勃起になっていた俺の柔らか性器が、西島ヒナノとの通話中にはひどく固くなってしまっていた。
インポテンツの情けなさに過剰飲酒と薬のオーバードーズをした時でも、こんなにはならなかった。
その時は頭に血が昇って、デリヘル嬢の顔面を滅茶苦茶に殴打し、首を絞めて泡を吹かせ、全裸のまま往路に放り捨ててやった。
警察沙汰になりそうだったが、嬢が掛け合ってくれて出禁のブラックリスト入りだけで済んだ。一晩限りの女だったというのに、どうして店と掛け合ってくれたのかはわからないが。
それはそうと、つくづく馬場健一郎は俺の劣情とセットな人物だと思う。
限界ほどに勃起した性器を持て余しながらも、嬢の顔面を潰した時のような血迷った思考はない。
冷たい炎のような思考が、俺の中で揺らめいた。
「西島さん、だったよね? 俺が最後の配達なのかな?」
「あっと……それは、本来はお答えできないことなのですが……」
「その調子だと、俺が最後だってことで正解だね」
「……えと、そうなりますね」
「もう少し早い時間に受取ができれば、西島さんの退勤時間も早められたのにね」
「そんなことは気にしないでください。
私共が業務として行っていることですし……それに私はまだ早い方なんですよ?」
「そうだとしても、残業させてしまっているのは事実だろう?
配達に来られた時に、少しばかりだけれど、お礼をさせて貰うつもりだよ」
「そんなっ、牛島様、お気遣いはとても嬉しいのですが、お礼を受け取ることは出来かねます。
再三述べておりますが、私どもは業務として行っていることであり、業務内容に見合った報酬を依頼人の馬場健一郎様から受け取っておりますので」
西島ヒナノは至極まっとうな内容で、俺からのお礼を拒否した。
「この前、少し話したと思うけど、依頼人の馬場健一郎は俺の親友だった奴なんだ。
なんで男が男にクリスマスプレゼントなんだと思うけど、ま、奴の悪ふざけなんだろうよ?
けれども、馬場が死んでもう五年になる。
その長い時間、荷物を大切に預かってくれて、そしてこんなにも丁寧に配達しようとしてくれる西島さんに、なんのお礼もしなかったでは、俺は後から馬場に怒られてしまうだろう?」
「……そう言われましても」
「大丈夫、西島さんには絶対に迷惑を掛けないし、時間も取らせないよ。
ただの気持ちだからさ、受け取って貰えると嬉しい」
しばしの沈黙の後、西島ヒナノは囁き声で言った。
「わかりました。
では、明日の午後10時に配達にお伺いします。
よろしくお願いします」
躊躇いがちに、西島ヒナノの方から通話が切られた。
ま、それで良しとしよう。
俺は携帯電話を机に置くと、屋根裏にしまっておいた小さな段ボールケースを引っ張り出してきた。
隠しておいた段ボールケースの中にあるのは、いわゆる大人の玩具と呼ばれる品々だ。
なぁに一人暮らしなのだから、屋根裏に隠しておく必要などないものだ。
親に見つからないように隠しておく少年のようなもんだろうかと自嘲すら湧いてくるが、五年ぶりに目にした段ボールケースに詰め込まれた玩具の数の多さよ。
ディルドゥ一つにしても大小様々な大きさのものが10本以上はあった。
色取り取りのアナル開発具やバイブレーターの他、猿ぐつわなどの拘束具も十全に取り揃えてあった。
ただし、今回の目的はそれらではない。
段ボールケースの底の方をまさぐると、目的の物に辿り着いた。
錠剤を包んだPTPシート。
「これは……ピルだな。
今回は必要ないだろうが……まぁ念のため準備しておくか」
別のPTPシートを掴み上げる。
「そうそう、俺はお前を探してたんだよ」
思わず笑みがこぼれる。
それはいくつか使われた跡があったが、まだいくつも錠剤を残した状態のPTPシートで、薬品名として「ハルシオン」と印刷があった。
つまるところ、俺が探していたのは西島ヒナノを昏睡させるための睡眠薬だった。
第二話ここまで
第一話
可愛い少女の配達員
第二話
少女を睡眠薬で眠らせてレイプへ
第三話
ディルドゥやバイブ、ローターを点検しつつ、少女を待つ
第四話
可愛い女の子だからいじめたくなる
第五話
少女を密室に誘い込んでレイプへ
第六話
少女の弱みに付け込んで
第七話
恐喝して少女の唇を奪う
第八話
電話させながらアナルに指を挿入
第九話
アナルに指入れ。そして睡眠薬を
第十話
微睡む少女へクンニリングス
第十一話
少女のアナルを巨大ディルドゥに叩き込む
第十二話
アナルとクンニで同時責めで少女は絶頂に
第十三話
子宮を突き上げ、少女をイカせ続ける
第十四話
まるで3P。二穴プレイで少女に中出し、絶頂へ
最終話