※徹夜プレイしたまま書いてるんで乱文失礼
ざっくりあらすじ(ネタバレ含む)
アマツツミ(天津罪)の意味合いはいろいろあるんだけど、とりあえず作中では「他人の田んぼに勝手に種蒔いて奪っちゃダメ→人の幸せを奪うの厳禁」という感じ。
どんな命令でも相手の心をねじ曲げて従わせることができる“言霊”使いの神様・主人公さんはその能力を使って他人の家庭に溶け込み、家族として暮らす中で人の心の機微に触れて成長していく。
幸せだけれど偽りの家庭を与えられた少女、自分の身代わりとして親友を亡くした少女、流行病で死んだ双子の姉の代わりを務める少女、今の自分とはまるで対照的な自分の虚像を生み出した少女――“言霊”ではないけれど、みんなを幸せにしてという神頼みを叶えるために主人公さんが頑張る。
さらっと攻略
「こころ」→「響子」→「愛」→「ほたる」順にストーリーが展開し、各ヒロインのパート終了時にわかりやすい選択肢があり、選択肢によってはそれぞれのヒロインとイチャイチャルートへ。
ほたるパートは終了時に選択肢が追加されて、そちらがトゥルーエンド。
感想・レビュー(ネタバレ有り)
待ちに待った今作「アマツツミ」、土曜日夕方から徹夜クリア!
「もう……いい」「もう……疲れた」――作中では涙を誘う名台詞、僕もそんな諦めを口にしたいけど、暑くて寝れねぇんだよ!
はい、「天津罰(アマツツミ)」と題されているだけあって、それに基づいたテーマ性が光る一作に。
正直微妙だったけれども印象的だったのが「響子」パートで、灯籠流しにおける灯籠というのは確かに生きている人たちが勝手に作り上げた“像”でしかなく、それを川に流して弔ったところで自己満足の域を出ないかもしれない、けれども――と展開させたことで、続く「愛」、特に「ほたる」パートが相当魅力的に引き立てられてくれた。「響子」パートのみだとその部分はお涙頂戴のご都合展開に見えなくもないんだけど、振り返ればカチッと填まる構成。
夏でも冬服巨乳美女の愛ちゃんは、双子の姉の死に際の言葉が呪いとなって今も身近に雪が降り続けるクールビューティー。
我が幸せのためならば「蛍」を、ひいては「雪」を「灯籠」を奪うことも厭わぬ原型ほたるん。
それは「天津罰(アマツツミ)」なのだと咎めながらも、病床に伏せってもはや余命尽きようとしているほたるを救う方法は?
人ならざる神として救うのか、人間の感情を受け入れ人間として救うのか、そんな感じで結末へと。
物語性・テーマ性が強く押し出された作品になっていて読み応えがあって楽しませて貰いました。
一部立ち絵の微妙さ、一部エロシーン挿入の強引さとかは感じたけれど、この神秘的で幻想的なお話を、一貫したテーマのもと練り上げた力量に恐れ入るね。
揚げ足取りにツッコめる部分はいくらもあったんだけど、そういうのに備えて一々を説明・描写するような小心者のテキストでもなく、ぶん投げ気味の大味テキストでもなく、笑い要素に頼ることもない、過不足ない読みやすいテキストだったので徹夜状態でも読み終えられたんだと思うね。
当ブランド【Purple software】さんの作品って初めてだったんだけど、過去作も漁りたい気分。たぶん漁る。
各ヒロインパートごとに見せ場があってそれぞれに良かったけれど、響子パートは立ち絵でずいぶん損をしてる気がするかな。原画さんが違うのはわかるんだけども。
僕的には ほたるパート = 愛パート > こころパート > 響子パート な感じ。
それぞれの分岐ルートを合算すると ほたる > こころ > 愛 > 響子
原型ほたるんの諦観を滲ませた台詞がどれもこれも良すぎた。
三度も処女喪失するほたるん、ラストでは黒ワンピースに日傘で再登場してくれるもんだと思ってたら、違った(´д`)
まとめ
ゴジラみたいに光線発射だっ!(天津罪)