夜のカッターナイフ

同性愛の少女達を引き裂く魔の手

第三話

 食堂車に移って席に着く。
 雑然とした夜行列車の雰囲気の中、三黑江白奈の存在感はやはり圧倒的だった。
 これでもう少し身長があれば、もう誰も彼もが近寄りがたい神々しさを放ち、私ですら近寄ることができなかっただろう。
 若者達は三黑江白奈の美貌に声を失い、ただひたすら盗み見ているばかりだったのに、その低身長のおかげで老夫婦なんかからは声を掛けられて、孫娘のように可愛がられているのだ。

 夜汽車の旅、その中でも食堂車での夕食となれば舌鼓を打たせてもらえる内容を期待してしまうところだったが、固いパンとスープが運ばれてきただけで、雰囲気を味わうくらいでしかなかった。
 試しに葡萄酒を注文してみたら、年齢のことなど確認されないままグラスが運ばれてきた。

「未音さんはアルコールの経験は?」
「初めてよ。白奈ちゃんは?」
「私も初めて」
「じゃあ……行き先も決めてない夜行列車のぶらり旅に、乾杯」

 グラスを合わせてから二人してちびりちびりとやりながら、雑談に興じる。
 他愛もない会話がいつまでも続く。
 終点のない夜汽車の旅なのだから、時間を気にせず話に夢中になった。
 食堂車の運営が終了する時間になると、そのまま車両は飲み屋に変わり、頼んでもいないのに私たちのグラスには葡萄酒が継ぎ足された。
 二杯目を煽る三黑江白奈の顔は少し赤みが差し、女の私でもドキッとするほどに色っぽく見えた。

「そろそろ部屋に戻りましょうよ」

 そう囁く三黑江白奈だったが、明らかに酔いが回っていた。

「少し休んでから部屋に戻りましょう。
 そんなんじゃ、途中で倒れちゃうんじゃない?」
「大丈夫よ」
「そうかしら」
「これくらいなんともないわ」
「……白奈ちゃんが大丈夫でも、私が大丈夫じゃないのよ。
 悪いけど、少し休ませて」
「ぅぅ……ちっとも酔ってないくせに」

 三黑江白奈はテーブルに突っ伏して頬を膨らませる。
 上目遣いでこちらを睨んでくる仕草が、また妙に胸をざわつかせる。
 このまま二人で部屋に戻り、狭いベッドで二人で横になったら、どうなってしまうんだろうか?
 私は私の自制心に自信がなかった。
 お互いの吐息が頬に触れるほどの距離で一晩も一緒にいたとしたら、もしもそれが男女であれば間違いを犯すなというのは無理がある。
 明らかに性欲を減退させるような不細工が相手だったらまだしも、相手は絶世の美少女である三黑江白奈だ。
 百万人の男で実験してみればいい。
 百万人中、ほんの数名だけだろう、間違いを犯さないのは。
 残る数十万人の男は絶対に三黑江白奈を犯す。
 絶対にだ。
 想像は容易い。
 三黑江白奈がどこの馬の骨とも知らない男に犯される光景が目に浮かぶ。
 一人二人じゃない、数多くの男性の囲まれて、その性欲の捌け口として扱われる無残な三黑江白奈。
 新雪を思わせる白い素肌には男達の指跡が競うように刻まれていき、言うことを聞かせるために頬には殴られた跡。
 とても丁寧に梳いてある長髪は男達に乱暴に掴まれ、土埃にまみれ、そのうちいくつかは抜けたり、切れたりして床に散らばる。
 そして男を知らぬ身体に、汚らしい男の性器が埋められていく――

「未音さん、どうしたの?
 本当に酔っちゃってたの?」
「え?」
「私を見つめてぼ~っとして。
 ね、何考えてたの?」

 私が考えていたこと。
 それは三黑江白奈が男達に強姦される光景。
 百万人に少し足らない大人数の男達が三黑江白奈に襲いかかるという、まるで欲求不満者の妄想。
 私は三黑江白奈を改めて見つめる。

「ん?」

 小首をかしげる三黑江白奈。
 私の想像の発端はどこだったろう。
 今夜、三黑江白奈とベッドで眠ることになったら――ほとんどの男は三黑江白奈を犯すだろう。
 だけど、私は女だ。
 女の私が女に劣情を抱いているのだろうか?
 私に同性愛者だったのだろうか?
 そういうことか?

「ねぇねぇ、本当にどうしちゃったの?
 未音さん、おーい」

 私たちに声をかけた老夫婦達は、皆が皆、私たちを姉妹かと訊いた。
 私がお姉ちゃんで、三黑江白奈が妹で。
 皆が皆、妹に思う三黑江白奈を可愛い可愛いと撫で回し、褒めそやしていた反面で、皆が皆、私にはこう言った。

「妹さんをちゃんと守ってあげなさいよ」

 なにか悪い予感でも感じたのか、老夫婦達は切実な顔で私にそう言うのだ。
 糞担任も三黑江白奈を硝子細工と称していたくらいだから、三黑江白奈の圧倒的な美貌の裏に、皆は今にも崩れて壊れてしまいそうな儚さを感じているのだろう。
 それならわかる。

――だって、私も三黑江白奈を壊したいから。

 自分の顔を傷つけるためにいつも肌身離さず持参しているカッターナイフがポケットの中で重みを増す。
 指で触れてしまえばすぐにも壊れてしまいそうな絶世の美少女。
 風に吹かれればどこまで飛んで消えてしまいそうな儚げな美少女。
 そんな三黑江白奈と肩を並べて一晩を過ごすとしたら、女の私は間違いを犯さない自信がない。
 まだ出会って一ヶ月もしないのに私に全幅の信頼を置いてくれている三黑江白奈。
 老夫婦達に姉妹と呼ばれて、あんなにも喜んでくれてしまったら、一人だけ猫可愛がりされる三黑江白奈に嫉妬の感情も湧き上がらない。
 可愛い可愛い妹が、人様から可愛がられているんだから、姉の私だって嬉しくないわけがないじゃない? そんな気持ちだった。
 それなのに、それなのに、私は心のどこかで三黑江白奈を壊したいと強く願っている。
 あと数日、三黑江白奈が転校してくるのが遅かったら、私は自分の顔をカッターナイフでずたずたに切り裂いていた。
 その時のどす黒い感情が、三黑江白奈に狙いを定めている。

「なぁんだ? 未音さん、本当に酔ってるんじゃないの?
 眠くなっちゃった?
 なら、ほらほら、部屋に戻ろうよ、ね?」
「……少し、酔っちゃったかもね。
 お水もらってくるから、ここで待ってて」

 私は耐えきれずに席を立った。
 このまま三黑江白奈の側にいては、本当に間違いを犯しかねなかった。
 心を落ち着かせるため、私は三黑江白奈から離れ、カウンターの端っこで冷たい水の入ったグラスを煽った。

 その時だった。

「お前ら、全員動くなっっ!!」

 大声と共に銃声が鳴り響いた。
 悲鳴が上がる列車内、窓硝子が数枚打ち抜かれた。

「全員動くなっっ!! 動いた奴から撃ち殺すっっ!!」

 男達が数人、周囲に銃口を向けながら現れる。
 すぐに悲鳴は止み、列車内は驚くほど静かになった。

 夜行列車は、あっさりと男達に占拠されたのだった。

第三話ここまで


 第一話

孤高の美少女が転校生としてやってきて

第二話

同性愛の花園へ。しかしその願いは叶わずに

第三話

同性愛の少女達を引き裂く魔の手

第四話

大勢の乗客の前で手マンされ潮吹き絶頂

第五話

止まらない潮吹き、大勢の前で犯されて中出しプレイ

第六話

少女の危機に、嗜虐心によるオナニーが止められない

第七話

美少女を人前で全裸にひん剥き、大股開きのクンニリングス

第八話

醜男に犯される美少女の処女喪失

最終話

目の前で犯される少女、種付けプレスで中出し

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