第四話
後輩少女が僕にしがみついてくる。
両手を僕の背中へ、両脚を僕の腰へ回して、まるで孕ませろと雌の本能のままに叫んでいるようだった。
腰を前後させると肉襞が絶妙に絡みついて具合がいい。
性器を根元まで捻り込んでやれば先端に子宮口を感じられ、征服感が加速する。
「凄……っ、こんな……んんっ、はっぅ、せ……先輩っ、好きっ、好きぃ」
射精感をコントロールしつつ、長く楽しもうなんて余裕は無くなってきていた。
とりあえず一発出してから、少し落ち着いて二回戦かななんていう思考も一気にずるずる溶けていく。
ゴムを付けとくべきだったという反省も消え、後輩少女の身体から快感を貪り尽くさんばかりに猛り、繁殖本能のままに力強く腰を叩きつけ、汗ばむ身体で後輩少女を捕食するように抱き締める。
射精感がぞわぞわと背筋を駆け上がっていく。
額からの汗が後輩少女の顔に落ちるが気にしない。
後輩少女への愛おしさが込み上がり、脂ぎった顔を擦りつけていく。
パァンパァンと肌がぶつかるリズムが加速を続け、肉が擦れる音に淫靡な水音が加わり、もうそれ以外の音が聞こえない。
「も……もぅっ……出すぞ、奥に出すぞっ」
じゅくじゅくに熟した後輩少女の性器の最奥をえぐるように腰を叩きつけ、コリっとした子宮口をめがけて精液を吐き出す。
「はぅぅっんん゛っっっ!! 熱いっ! 熱いよっ!! 先輩のっ……いっぱい出てるっ!」
嬉しそうに射精を受け止める後輩少女の中に、もう後先考えずに出すだけ出す。
膣肉が蠕動し、精液を絞り上げていく感覚に再び背筋がゾクゾクするのを感じながら、僕は精液を受け止めた後輩少女の顔を見下ろしていた。
「へ……へへっ……中出ししちゃいましたね、先輩」
遂に目的を達成したとばかりに微笑む後輩少女に、僕はそう悪い気はしなかった。
が、後輩少女の微笑みはみるみるうちに、背筋がゾッとするような軽薄なものへとうつろっていった。
「先輩、私……高一の夏祭りの夜、レイプされたんですよ」
「……えっ!?」
「浴衣を着て、友達とお祭りに出かけたんです。他校の男子生徒とグループデートするような約束をして。
初めは楽しかったんです。
私のことを気に入ってくれたような人もいたし、私も良いかなって思ったし」
「……そいつに無理矢理……か?」
「いいえ、違いますよ
本当に楽しいお祭りだったんです。
でも、なんだか……急に先輩のことを思い出しちゃって、そうしたら全然楽しくなくなって、私一人、先に帰ることにしたんです。
馬鹿ですよね、先輩にはっきりフラれたのに。
ふらふらって帰り道を歩いていたんです。
それで車が来て……そこまでは覚えているんです。でもその後のことが記憶になくて。
気付いた時には軽トラのお兄さんに助けられてました」
「そいつがやったんじゃないのか?」
「どうでしょうか。
誰に、どんな風にレイプされたのか……覚えていないんです。
薬品を使って眠らされて、好き放題に遊ばれた後に放置されていたのかもしれません」
後輩少女は当時のことを思い出し、蘇った恐怖に声音が震えていた。
それなのに微笑は止まず、それどころか僕を嘲笑するかのような笑みへと変わっていった。
「レイプされた汚い女を抱いて、先輩も汚れちゃいましたね」
「なっ……」
「どうします? 汚してくれちゃった私のこと、殴ります?
いいですよ、好きにしてください。
あ、性病の検査受けてくださいね、どんな病原菌を持ってるか、わかったもんじゃないですから、私。
ふふ……先輩が悪いんですよ。
どうして今になって私を抱くんです?
だったら卒業式のあの時に私を恋人にしてくれて、それからずっとそばにいさせてくれれば良かったのに……っ」
そう言って涙を流し始める後輩少女の姿に、慰めの言葉を持たぬ昔の自分を思い出し、今現在も何も変わらず慰めの言葉が出てこない自分が呪わしかった。
「それにさっきの法螺話はなんです?
軽トラでパッシングしたら夏祭りに来ていた浴衣少女とヤれたって。
私の気も知らないで好き勝手なこと言ってくれちゃって。
いいなぁその子、代われるなら代わりたい。
私がその子になって、先輩に抱かれたかった。
初めてを捧げる相手は先輩だって決めてたのに……!」
「…………………」
「あれ?」
後輩少女は急にきょとんとした顔になって僕を見上げてきた。
「……どうした?」
「……そういえば私、記憶が途切れる寸前、パッシングされたような……?」
後輩少女編 第四話ここまで