夜汽車オークション

売春競売・売春オークションにて美しい奴隷少女と出会う

第四話 売春競売・売春オークションにて美しい奴隷少女と出会う

 七々瀬一叶は控えめに言っても可憐な美少女だった。

「あんた……なんで夜汽車に乗ってるの?」
「なんでって……」
「切符、ちょろまかして手に入れたんじゃないの?
 盗んだ荷物の中に切符があったとか、そんなんでしょ?」
「ひどい言いがかりだな」
「だって、なんかあんまりお金持ってなさそうなんだもん。
 乗る列車、間違ってるわよ、その格好」

 七々瀬一叶の小さく整った顔立ちは美しく、可憐で、ふわっとした長髪は飴細工のようだった。
 細い首はやがて健康的な鎖骨に達し、胸元が広がる。
 まだまだ幼さの残る華奢な体付きなのに、純白のドレスで着飾られたのを見ると、熟す前の果実の甘酸っぱさに胸が切なくなる。
 村娘のように飢えて痩せ細ったための細い脚ではなく、食べる物は食べた上で、必要十分なだけの骨と筋肉を得た結果がこの麗しい細脚とばかりの綺麗な脚。
 野山を駆け巡って転んで怪我した痕など一つもない。
 どこまでも白く透き通っていて、触ってしまったら降り積もった新雪のように溶けてしまうんじゃないかと心配になるくらいだ。

「そんなにジロジロ見ないでよ。
 でも、可愛いかしら? あんた好み?」
「うん、とても」
「はっきり言うわね!?
 ……でもダメよ。売れ残りにだって意地があるの。
 褒め殺したって安売りはしないわ」
「売れ残り? 君がかい?」
「そうよ、可哀想な売れ残りちゃんよ」

 七々瀬一叶は僕のワイングラスを取り上げると、一気にワインを身体に流し込んだ。
 どこまでも白い身体に血のように赤いワインの対比は美しくもあったけれど、僕が貧乏くさくちびりちびり飲んでいたワインを一気に煽られると、涙が出そうだった。
 ぷはぁ、とグラスを離す七々瀬一叶。
 なんだか他の天使のごとき少年少女らと違って、みっともないくらい俗物くさかった。
 他のテーブルでは天使めいた少年少女らの甲高い声が適切な相槌を打ち、会話に花が咲いている。満開の桜のような、一瞬一瞬を惜しみ、大切にしたくなるような至福のディナータイムと言ったところ。
 けれど七々瀬一叶ときたら、空にしたワイングラスにお代わり求めて、通路をやってきた乗務員に絡んでいた。
 彼女の着る純白のドレスは背中が大きく開いていて、誰かが天使の翼をちぎり落としてしまったんじゃないかと不安げに観察するが、僕の視線に気付いた七々瀬一叶に睨まれた。

「見過ぎ」
「……はい」
「……あのねぇ、私よりも可愛い子なんて他にもいっぱいいるでしょ?
 他の子は自分を売り込みたくて必死なんだから、視姦するつもりでジロジロ見つめてやりなさい、悦んでくれるわよ」
「君は?」
「ん?」
「君は自分を売り込まないの?」
「……そんなことしないわ、だから売れ残ってるの」
「君の態度も含めて、そういう売り込み方法だと思ってたけど、違うのかな?」
「はぁっ!?」

 七々瀬一叶は思わずシートに倒れ込んで笑い転げた。
 でも笑い方にはどことなく品があって、僕が危ないからとワイングラスを受け取ろうとするとそこら辺は素直に従ってくれていた。

「え、なになに? 売れ残り商法だと思ってたの? そんなセコいことしないわよ、もう、馬鹿ね」
「あぁ……悪かったね」
「別にいいけど、そんなこと思いつくって、あんた何やってる人なの?」
「塾の講師」
「塾っ!? なんで塾の先生がこの列車に乗れるのよ? この列車に乗れるのは金銭感覚狂ってるような人だけなのよ!」
「ちゃんと正当な対価を払って手に入れた乗車切符だよ」
「百歩譲って乗車することができたとしても、こんな末席に座らされて、これからのオークションはどうするの? 競り合いもしないで見てるだけ? 入札額なんて乗車切符の何倍すると思ってるのよ」

 とりあえず僕の全財産を言ってみる。

「そんなんじゃ売れ残りの私すら競り落とせないわ」
「……ふふふ、だ、大丈夫さ、僕はその数十倍の資産持ちだからね……」
「……売れ残り商法を思いつくような人がお金持ちとは思えない」
「ぐ……じゃ、じゃあ君を競り落としてみせるよ」

 つい勢いで吐いた台詞だったが、言ってみたら七々瀬一叶はきょとんとした表情の後、真っ赤に照れた。
 視線を泳がせながら言う。

「な……なに言ってるのよ……」

 まるで初めて告白を受けた少女のようだったが、考えてもみると競り落とした後は一晩好きにしていいことになっているのだから、似たようなものだったか。
 なんだか変な空気になってしまったので話題を探す。

「な、なんで君みたいな子が売れ残りに?」
「なんでって……」

 照れ隠しをするように髪を指先で弄りながら七々瀬一叶は答えた。

「こんな態度を取り続けてたら売れ残っちゃうわよ。
 好きじゃないのよ、媚びを売ったりするのって」
「……あぁ、わかるよ。
 媚びを売られるのだって、僕なんかは嫌だからね」
「ふふ、やっぱり貧乏人ね。
 人からどれだけ媚び売られるかが勝負でしょう?
 偉い地位の人間に媚びを売らせることができたり、絶世の美女に媚びられたりしたら、あなただって嬉しいでしょう?」
「……考えたこともなかった。
 そういう世界もあるんだね」
「……そうね。
 でも私、そういう世界とはそろそろお別れなのよ」
「お別れ? 下車するってこと?」

 七々瀬一叶はワイングラスを傾ける。
 長い長い旅路が終わりに近づいているような郷愁が漂っていた。

「世話係に言われたの。
 今日はどうやってもいいから売れて来いって。
 それで無理矢理テーブルに着かされたけど、気に入らなくてすぐ席を離れたの。
 愛想笑いなんてできないから、私はいつも端っこの席でぼぅっとみんなが媚び売ってるのを見てたんだ。
 でも今日でそれも最後。
 明日には廃棄品に回されるでしょうね」
「いつもの端っこの席ってのが、ここの席?」
「そうよ、ご名答。
 こんな席に座らせられる客もいたものね。
 あなたがちびりちびり飲んでたこのワイン、あなただけ特別に安物みたいよ?
 くそ不味いもの」
「……」

 泣きたかった。

「ところで廃棄品に回されるって、どういうこと?」
「あぁ……それはね……」

 安物ワインを飲み干した七々瀬一叶が口を開こうとした時、すぐ横の扉が開け放たれた。
 がらがらがら……とキャスターを鳴らした台車が現れ、その台車の上には女の子。
 しかし、その女の子は――

 手脚を切り落とした肉だるま――だった。

第四話ここまで


 第一話

教師が生徒に売春強要、数百人以上の客に少女らを抱かせる

第二話

好きな人の前で他の男に犯され中出しされる少女

第三話

寝取られた少女らの絶頂を横目に、売春夜行列車へ

第四話

売春オークション会場にて、奴隷少女との出会い

第五話

肉だるまの性奴隷 数多の肉体改造をされる奴隷少女

第六話

車内で手マン・潮吹きのつるぺた奴隷少女

第七話

奴隷少女の処女オークション

第八話

奴隷少女のクリトリス、舐め回して絶頂へ

第九話

奴隷少女と中出しセックス

最終話

奴隷少女を買い取った教師

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