第七話 母の入院費のために身体を売る少女の事情
◆理事長の悪事を暴き復讐する計画
俺は貫太が言った「人生変わる」と言う言葉を実感していた。優美ちゃんの愛らしい舌の感触は素晴らしく、生まれて初めて味わう不思議な心地良さがあっと言う間に込み上げて来たのだ。ハッキリ言ってめちゃくちゃ気持ちが良い。優美ちゃんの軟体動物のような舌がスルスルと出入りを繰り返すと、まるで快楽源を直接刺激されているような強烈な感覚に見舞われ、俺は下腹部全体をジーンと甘い痺れに包まれていた。あまりの心地良さに、俺は何かだらしなく呻いていたかも知れない。
「はい、元気になりました、先生。では、頂きます」
おお、何と言うことだ! 優美ちゃんの尻穴舐めに心を奪われている間に、俺のペニスはすっかり新たな生命を吹き込まれて、あり得ないようなビンビンの勃起を取り戻していたのである。そこをすかさず優美ちゃんのオクチにパクリとくわえられた俺は、思わず慌てた声を出して彼女の後頭部のセミロングの髪に手をやっていたのである。
「ゆ、優美ちゃん! ちょっと待って……」
「だらしないぞ、信一。しっかり出してやれよ」
貫太に笑われてしまったが、俺は予想外の自分の肉体の反応に戸惑い、少しうろたえていた。そこへ優美ちゃんのジュバッジュバッと音を立てて猛烈なスピードでしゃぶり上げる「ご奉仕」を受けて、もうノックアウト寸前である。と、優美ちゃんが急に口を離し切羽詰まった口調で訴えた。
「ゆみは、もういきます! 先生も出して下さい!」
すぐにフェラチオを再開した優美ちゃんが、体を激しくおののかせてアナルの快感に果ててしまうのがわかると、俺もたまらず彼女の口中にドピュッと放出していた。そんなに大量ではなかったが、この歳になって絶対に無理だと思っていたペニスが活性化し出すことが出来るとは、カルチャーショックを覚えるに十分だった。
それから全員裸でテーブルに付いたのだが、貫太が3人前作ってくれた夕食はご飯に味噌汁、さらにはおかずが数種類付くと言う本格的なもので、これには大いに驚かされた。
「調教師ってのは、ずっと1人暮らしだからな」
貫太はこともなげに言うが、やはり俺とは住む世界が違う。俺はと言えば、40を過ぎて情けないが親元で暮らし食べさせてもらうていたらくなのだ。そして食事をするテーブルには、俺と貫太と言う巨漢とデブの醜い男2人に挟まれて、小動物のようにかわいい優美ちゃんが座った。でも相変わらず手は拘束されたままである。すると彼女がこんなことを言った。
「あ、あの、貫太様。私お料理くらい出来ます。優美に食事のお世話をさせてくれませんか?」
それは俺が不思議に思っていたことである。すっかり奴隷気分に染まった従順な女性が一緒に暮らしているのだ。どうして彼女に家事を言いつけないのだろう。だが貫太の言葉は俺には思いも寄らないものであった。
「いや、俺の調教は女に何もさせねえ主義だ。俺と過ごしている限り、お前は何一つやらないで良い。メシも食わせるし、フロにも入れてやるし、トイレの始末も俺がやる。お前はただえっちなことだけを考えて集中しろ。そうすればすぐに、誰にも負けない立派な夜の女になれるんだ」
こうして貫太の言葉通り、手を縛られ何も出来ない優美ちゃんの口に俺たちが交互に食事を運んでやると言う、実に奇妙な食事が始まった。全員裸と言うこともあり、俺はこれが現実の出来事なのかと一瞬自分の正気を疑ってしまいそうな不思議な気分になって来た。
「ところでよ、優美。先生は愛華先生と付き合ってることが理事長にバレて、クビになったそうだ」
「お、オイ、やめろよ!」
「まあ、いいじゃねえか。お互い隠しごとなしの、ハダカの付き合いで行こうぜ」
優美ちゃんにご飯を食べさせるのは、まるで発育の良い赤ちゃんに食事をさせているような楽しさがあり、至近距離で彼女の色白でムチムチの若い裸身が、アナルの快感に悶々としだんだん美しく紅潮していく様を眺めるのも絶景だったのだが、貫太がいきなりそんなことをバラすものだから俺は慌てた。それを優美ちゃんに聞かせる必要はないじゃないか! ところがこの話を聞いた優美ちゃんは食べていた口を休め、情欲にけぶる燃えるような瞳で俺の方を見つめる。うう、ヤバいくらいに色っぽい! そして彼女がボソリと口を開いた。
「先生も、ですか……」
ーー何!? それは一体、どういう意味だ……
「優美ちゃん、それ、どういうこと?」
「あの理事長はとんでもない人です」
貫太の勘恐るべし。ここで優美ちゃんの語った言葉は、権力をかさに着た山川理事長の非道さを物語るものだった。
「私、あの高校には特待生入学だったんです……」
母子家庭で家計の苦しい彼女は、授業料全額免除と言う山川女子高の特待生推薦入試を受けて見事合格。だがそれは彼女自身信じられない合格だったと言う。
「絶対受からないと思い、駄目元で受験したのでビックリしました。私、そんなに成績がトップクラスでもないですし」
謙遜が入っているだろうから、いかにも聡明そうな優美ちゃんがそれなりに成績優秀だったのは間違いない。だが、授業料全免で特待生と言うのがちょっとやそっとでは受からない難関なのも確かだ。そう言えば、特待生は理事長が面接でかわいい女子を選抜していると言う噂があったのを思い出した。そして、それはビンゴだったのである。
「理事長は、母が夜飲み屋で働いていたのを見初めて、私に特待生を受験させるよう持ち掛けて来たんです。母は、その……私を入学させるために、理事長に抱かれました……ああん!」
話が話だけに優美ちゃんは辛そうだった。そして大きな声で呻くので、すわ、と思いきや、これは又もアナルバイブで彼女が昇り詰めてしまったのである。俺は貫太の調教の過酷さを思いやり、もうバイブを外してやれよ、とヤツに言ったのだが、何と優美ちゃん自身が、すみません、いいんです、とそれを断った。そんな健気な彼女を見ていると、俺は自分のことより優美ちゃんのために理事長に一泡食わせてやりたい、と言う復讐の念が強くなった。
「母は私を高校に行かせるために、一度だけと思い我慢したんです。なのに、あの男は入学後もことあるごとに母を呼び出して、無理矢理関係を迫りました。娘を高校に通わせたいなら、わしの女になれ、と言われたようです」
「とんでもねえ野郎だな!」
貫太が自分のやっていることは棚に上げて憤慨した。優美ちゃんはこんな美少女だから、お母さんもさぞかしいい女なのだろう。
「それでお母さんが断ったら、学校をクビになったのか?」
「い、いえ、そうじゃないんです……ある日、私も理事長に呼び出されて変なホテルに連れ込まれたんです。そこには縄で縛られた母がいて、えっちなことをされていました。そしてあの男は私に、高校を続けたかったら犯らせろ、と迫って来たんです……」
「許せねえ!」
それは俺も同感だった。当然ながら優美ちゃんが断ると、理事長は怒っていきなり彼女を退学処分にしたのだ。被害者でありながら、体を売って不正入学を頼んでしまった負い目があるお母さんは泣き寝入りするよりない。実に陰湿で鬼畜のようなやり口ではないか。
「母は心労が重なって体を患い入院してしまいました。親戚の方にも助けて頂きましたが、とても入院費が工面出来ません。それで……」
こうして優美ちゃんは自分の判断で夜の仕事に手を染める決意をし、いかがわしい店に自分を売り込みに行く。だが、美少女でも性経験の乏しい彼女にとっては耐えられる仕事ではなく、かわいそうに貫太の所へ送られ性調教を受ける羽目となったわけだ。俺は彼女に掛けてやる言葉も見つからなかったが、貫太は言った。
「理事長のやったことは立派な犯罪だ。だけどこんなことを表沙汰にされるのはお前も辛いだろう」
「はい。出来れば、このことは伏せて下さい。お願いします……」
世間知らずの俺は、理事長の行為を暴露してとっちめてやれば良いと思ったが、そんな簡単な話ではないようだ。それに自分勝手だが、やはり愛華先生も取り戻したい。冷静な貫太はそんな俺のことも考えて、緻密な復讐計画を考えてくれたのである。
「この分なら、理事長を叩けばいくらでもホコリが出て来そうだな。まず、コイツの素行を徹底的に調べよう。組に専門家がいるから任せな」
そういう裏仕事は暴力団にとってお手の物らしい。
「そして理事長の決定的な弱みを握ったら、愛華先生から堕とす」
「え? それは、彼女を脅迫する、と言うことか?」
俺は惚れた弱みで、彼女にひどいことはしたくないと思ったのだが、貫太はもう何やら計画を立ててしまったようだ。乗りかけた船には乗るよりないだろう。俺は覚悟を決めていた。
「まあ心配するな。お前の悪いようにはしねえよ。もちろん、優美、お前もだ」
「ありがとうございます……ああ、貫太様あ~ 抱いて下さい!」
話をしながら夕食は終えていたが、その間一度ならずアナルで極めていた優美ちゃんは悩ましくそう言うと、隣の席に座る肥満体の貫太にしなだれかかって来た。深刻な話はここで終わりである。
第七話 母の入院費のために身体を売る少女の事情 ここまで