第九話 露出プレイへの道―エロビデオ屋で店内セックスへ
「……あんなの配信しちゃって、本当に大丈夫なの?」
「あんなの?」
「私たちのエッチしてるところを配信しちゃって大丈夫なのかって訊いてるのよ!」
「そんなに不安がらなくても」
「もしも知り合いに見つかったら……一生の恥よ!」
セックス映像をネット配信した翌日、芽衣は不安と怒りを滲ませた様子で俺の周りをウロウロし続けていた。
……犬みたいでちょっと可愛い。
芽衣が心配するように知り合いに配信映像を観られてしまっていた可能性は完全には否定できないものの、それがどれくらいの可能性かと言えば微々たるものだと思う。
配信した時間は平日の深夜午前二時過ぎ、たしかに異例の視聴者数を叩き出したわけだけれど、それはその配信サイト中で比べた数値でしかないわけだし。
「……ねぇ……キー君は不安じゃないの?」
「たぶん大丈夫だと思うんだよね」
「……根拠は?」
「あのね、怒られるかもしれないけど、俺だってアダルトビデオショップとかには行ったことがあるんだよ」
黙って話を聞いている風をして、芽衣はぼそっと「浮気者」と刺すように言った。
う~む……後でなんかフォローしとこう。
「店内にはびっしりとエロビデオが並んでるんだ。
ほらDVDのレンタルショップがあるだろ?
あんな感じに棚が並んでて、品揃えが全部エロビデオなんだ、当たり前だけど。
そりゃ凄い量だよ。
こんなに大量のエロビデオが揃っていて、それでも足りないとばかりに次々にエロビデオが発売される、当然チェックしきれる量じゃない、途方も無い量だよ。
それにエロビデオだけじゃない、風俗産業はデリヘルやピンサロ、ソープとか豊富だよ。
俺たちみたいな素人のセックス動画配信だってその一つ、それに同時間に配信していた人たちだって他にもたくさんいるんだ。
性欲を満たす方法なんか星の数ほどあって、今回に限っては俺たちもその一つの星に数えられることをしたけれどもさ」
「……キー君が言いたいことはわかるけど。
私たちのエッチって他の人たちのエッチな話と何も変わらない同列のモノだって、それは理屈の上ではそうよ、間違いなく。
でもキー君の口からそんな話を聞かされたくないわ」
妙に湿っぽく語る芽衣。
……これはあれだ、じゃれ合いみたいなもんなので慣れてる、というか慣れた、何回もやったんだ。
芽衣の悲劇のヒロイン風な演出に合わせて立ち回ってやれば良い、うん。
「ごめんよ。
あくまでさ、世間様が俺たちのセックスをどう見るかって話しだったんだ。
でも俺自身が芽衣とのセックスを特別なものとして捉えていないのかって言ったら、もちろんそんなことはないよ。
芽衣とのセックスだけじゃなく、芽衣のことだって、俺にとっては特別なんだよ」
歯が浮くような台詞!
言い慣れてる!
「キー君……ありがとう」
歓喜の涙を浮かべながら芽衣が抱きついてくるので抱き返す。
ひしと抱き合いながら、ネット配信の件はこれで忘れてくれるかな~と淡い期待をするのだった。
――けれど……これじゃあ芽衣に露出プレイをさせる展開に繋がらなくね?
想定していた展開とは違う方向へと話が転がり出してしまっている。
願わくば、セックスのネット配信くらい気にせずに、次は深夜の公園で露出プレイをしようと芽衣を説得したかったのだけど……
でも今のこの流れだと、抱き合ったこの状態から仲直りセックスへと至るのが自然で、仲直りセックスの後はもうこの話題を持ち出すのはNGとなってしまう。
――え、だったら仲直りセックスしたくないんだけど……
抱き合ったままの状態で芽衣が唇を寄せてくる。
芽衣のうっとりとした表情が色っぽく、思わず唇を重ねてしまうし、舌をクチュクチュ絡めてしまうけれど……
息継ぎのように一旦唇を離した芽衣が甘噛みのような調子で言う。
「それにしても……キー君もエッチなお店に行ったりしてたんだね」
「…………………」
「ビデオショップだけでしょ?
もしかして……もっと凄いお店にも行ったの?」
今だったら浮気すら許してくれそうな、甘えたくなる雰囲気。
付け込むなら、ここだ!
「もっと凄い?
もっと凄い事、今から芽衣がしてくれるんじゃないの?」
「……凄い事はさっきカメラの前でやったじゃない?」
「いや、あれくらいじゃ足りないよ、もっと凄い事やってよ」
芽衣の表情がちょっと歪む。
ここは強引に踏み込むところと思う。
「芽衣はエッチなビデオショップに入ったことある?」
「そ……そんなのあるわけないじゃないっ!?
どうしたのよ、急に」
「じゃあさ、今から行こうよ、案内してあげる」
「?
必要ないでしょ、行ってどうするの?」
「店内でセックスするんだ」
見事に芽衣が目を白黒させた。
間髪入れず、俺は芽衣のホットパンツの中に手を滑り込ませる。
さらに下着の中へと侵入し、パイパンの下腹部へ、そして膣口へ中指を突き立てる。
腰を引いて逃げようとする芽衣を制するように中指は膣の奥深くへと力強く挿入して言う。
「濡れてる」
「それがどうし――んんっ」
反論させないように唇を重ねる。
先に芽衣の舌を吸いに吸い、その後に芽衣が舌を吸い返してきたところで唇を離す。
お預けをするように。
「カメラの前で大勢に観られながらのセックス、興奮しただろう?
今度はさ、まぁ監視カメラはたくさんあるんだけど、それに実際に人がいたりもするんだけど、昨日のネット配信に比べたら微々たるもんだよ」
「え……でも……」
「知り合いがいなそうな遠くのお店に連れて行ってあげるから。
それとも知り合いがいそうなお店のほうがスリルがあって良い?」
「それはダメ、遠くのお店で……」
「うん、わかった、じゃあ決まりだね」
「って、え、決定なのっ!?」
ここで少年のような無邪気な笑顔を見せてやる。
「今ので決定したようなもんでしょ?
じゃあさっそく行こうか」
エッチなビデオショップで店内露出セックスをする計画を話し出したら、それを想像したためにか芽衣の膣分泌液の量が増えた気がする。
少しずつだけれど、こうやって芽衣を露出に慣れさせていくしかないかなと思う。
とりあえず次回はエロビデオショップで無断の店内セックスだ!
第九話 露出プレイへの道―エロビデオ屋で店内セックスへ ここまで
土下座してでも露出を強要する小説 一覧に戻る