―― いろいろと準備 ――
翌日。
ごろごろ。むにゃむにゃ。
ん。およよー、朝かなー。
・・・。
白の浴衣姿の私は、ベットから腰を起こす。
しばらく、ぼーっとしていると、
「おはよう、萌子ちゃーん」
がらがらがら。茜さんは台車を持って部屋に入ってきた。
「昨日はぐっすり眠れた?」
「はぃ、ふぁーーぁ」
・・・くんくん。
おや、何だかいい匂いだ。
おいしそうなコーンスープのにおいが、部屋の中を満たしていく。
「朝食持ってきたんだけど・・・、ちょっと早かったかな?」
「あ、食べます食べますー」
私は、ぼーっとしながらも、朝食という言葉に釣られる。朝ご飯だ。わっほーい。
「なら、ご飯にしちゃおっか」
茜さんはそう言い、台車から朝食を取り出す。
コーンスープにいくつかのパン、それとサラダに、牛乳を
テーブルの上に置かれる。
スープのにおいが私の鼻に入り込んでくる。じゅるり。おいしそう。
「それじゃあ、召し上がれ」
配置を終えて、朝食の時間が始まる。
—
「食べながらでいいから、今日のスケジュールを聞いてね」
「もぐー」
萌子は、食べながら、はい、と意志表示をする。クロワッサンのパリパリとバターの組み合わせがおいしい。牛乳もいける。
「まず食事の後だけど、トイレを済ませてからこの部屋を出るわ。以降この部屋に戻ってくることはないから忘れ物に注意してね。その後は本格的な身体測定ね」
測定が終わったら、萌子ちゃん専用のお部屋の紹介ね。それが終わったらフリータイムよ。以降特に予定はないわ」
とりあえず、今日は身体測定だけなんだな。もぐもぐ。
「明日から萌子ちゃんのテスターのお仕事が始まるわよ~。それはもう、エッチで素敵な実験だから、楽しみにしてね」
うっ。この場合どう返答すればいいのだろうか。これに、素直に同意してしまったら、ただの痴女だろ・・・。
とりあえず、そのまま聞き流したような態度をとる。
「も・え・こ・ちゃんの、本・格・的な、エッチのお仕事よ~」
茜さんが顔を近づけて、わかりやすくもう1度述べる。重要なことなんですね、わかります。
・・・でも、やっぱりスルーする。答えてはいけない気がする。それに、私の顔が赤くなってしまっているのがわかる。
じ、実験だもんな・・・。エッチなことだもんな・・・。ど、どんなことをやらされてしまうのだろうか・・・。
「まー、もし不安だったら私に相談してね。色々と優しくしてあげるわよー。それに、内容の軽減することもできるから」
茜さんは、不安を和らげるように話してくれる。
「まぁ、軽減した場合は、その分謝礼も減らすけどね」
むぐっ! そ、それは言わないでいいですっ!
「だ、だいじょーぶです。できるだけがんばります。はずかしいけど・・・」
ようやく私の答えが定まり、目をそらしながらも、しっかりと答える。減給はイヤだからねぇ・・・。
「いい心がけね」
茜さんは私の答えに満足そうだ。
「あ、それと。これから出かける際に着替えはしなくていいわよ。今日はずっとその浴衣姿のままでいてね」
「えっ? あ。はーい」
身体検査らしいし、こっちの姿の方がいいのかな?
少し疑問に思いながらも、茜さんと軽く雑談をしながら、朝食を終える。
—
じゃーっ。
私はトイレから出る。手をきれいに洗う。
お腹スッキリ! おしりスッキリ! とっても快便だった。
いやー、何故か腸の調子がとてもよく、気分がイイ。ウキウキとした気分でトイレから出てきた。
「トイレは済ませた?」
茜さんは、朝食のお皿を片づけた後、股この部屋に戻ってきていた。
「はい!」
「あら、元気がいいわね」
「なんだか、お腹がとってもすっきりで、不思議といい気分なんです」
「そう、それはよかったわ。移動の準備もできたかしら?」
「はい、バッチリです! いつでも行けまーす!」
なんか私、妙にノリノリである。
「それじゃ、私についてきてね」
「はーい」
私は着ていた私服とバッグを持って、茜さんと一緒に部屋を出る。
・・・。
てくてくてく・・・。
まっすぐな廊下が続く。
途中、床式エスカレーターに定期的に乗りかえて、どんどん前に進む。
やがて、一つの大きな扉の前に着く。
茜さんが、扉の隣にある暗証番号を入れる機械に、パスワードを入力する。
「いい、萌子ちゃん。ここからがうちの施設よ。萌子ちゃんがこれから住む所でもあるわね」
・・・あれ? いままでの所は、違ったの?
ぴっ。
ロックが解除され、扉がゆっくり開かれる。
扉の向こうの、世界が見える。
・・・そこには、本当の、快楽機関研究所の姿があった。
—
うわぁーーー。すげーーーっ!
ここは広場だろうか? 最初の受付は仮のものだったんだな。と考えを改める。
室内はとても広く、色々なお店がある。コンビニ、洋服屋、エッチな道具売場にお土産屋まで。
女性がたくさんいる。私と同じ白の浴衣姿の人もいれば、私服姿の人もいる。
他にも、白衣の男性や女性、それにメイドさんや執事が歩いている。
そして、施設で働いていると思われる女性は、私と同じ装備をしている。首輪、腕輪、そして、カチューシャだ。
「どう、すごいでしょ?」
「はい、すごいです・・・」
私は素直に感動する。
「萌子ちゃんも、今日からここのメンバーの一員になるのよ」
はーっ・・・。私もこの施設の一員。エッチな子の一員・・・。
「さ、こっちについて来て」
ほへーっ・・・。はっ!!
あ、あわわわ。置いて行かれるとまずい。地図構成がさっぱりわからない。しっかりついていかなきゃ!
茜さんにあわてて付いていく。私たちはその大きな広場から外れて、廊下の方に移動する。
—
廊下をいくつか曲がった後、私たちは個別の部屋に移動する。
この部屋には、身長測定器、体重測定器、ベッドに診療台等色々な測定器具が置かれていた。メディカルって言葉が合うかもしれない。そんな部屋だ。
まるで、高校の保健室をこれでもか! ってぐらいに拡大した感じ。よく見れば、血圧測定器、視力測定器、などなど、ありとあらゆる体の測定気がそろってる。
この部屋があれば、体の測定には何も困らないだろうなぁと思う。
「萌子ちゃん。ここで身体測定するわよー。まずは裸になってね」
そう茜さんに言われた瞬間、私はピシっと一瞬硬直する。
・・・はだか。そう、はだか・・・ですか。
すべすべ、するする、すっぽんぽんの、装備なし状態ですか。
・・・自分の顔が少し赤くなる。
恥ずかしくなった顔で、そーっと茜さんの方をちらっと見る。
茜さんは明らかに、初々しくて可愛いなー、すごく食べちゃいたいなー的な視線をこっちに送ってる。うーん。この人、肉食系なのかも・・・。
しかし・・・いくら前にいる人が女性だからって、裸はちょっと恥ずかしいな―・・・。
私は汗を垂らしつつも、笑顔で茜さんを見る。ダメ?
茜さんもニッコリと微笑みながら、手を横に振る。
あ、ダメだこれ。
・・・。
ということで、荷物を端に置いた後、いやいやながらも浴衣を脱ぐことにした。
ゆっくりゆっくり、そーっと、そーっと・・・。
「ほーら、さっさと脱ぎなさーい!」
私のゆっくりした態度に痺れを切らしたのか、茜さんは少し怒り気味の笑顔で、私の浴衣をはぎ取ってしまう。もぎゃーっ!!
私の白色のシンプルな下着がその場に露呈する。
し、下着ならまだセーフだ。これを女性に見られてもだいじょーぶ。
「あらっ? 浴衣の下にパンツを履いていたの?」
・・・えっ? 普通は付けないの?
自分の常識が間違っているのかな? と、首を傾げて考える。
「隙あり!」
茜さんは楽しそうにしながら私の腰をガッチリと抑えると、私のお股を守っている温かくて大切な布をスッと下におろす。
いやぁぁぁあああっ!! この人、いきなりなにするのぉぉぉお!! へ・・・へんたーいっ!!
私の大切なところが一瞬見えてしまう。やばばっ! か、隠さないと!
とっさに右手の甲で、大切なところをささっと隠す。
「うううーー・・・っ!」
なんてことするんだーっ! と言う目で、プルプルと震えながら茜さんをにらむ。
「ブラジャーも外しておいてね。測定は裸体の状態で行うから」
「そう言われましてもぉ・・・!」
「何なら、萌子ちゃんのパンツと同じように、私が脱がしてあげようか?」
「じ、自分で出来ます・・・っ!」
私はお尻を後ろに下げてお股を内股で隠しながら、ブラジャーのフックを外して裸の状態になる。
ぽよんと弾力あるおっぱいが軽く跳ねる。
「おーっ! いい体してるわねー。すごく綺麗よー」
「そ、そんなにじろじろみないでくださぁい・・・」
乳首とアソコを手で隠しながらもじもじする。女性の前とはいえ、全裸になるのは少し恥ずかしい。
「さ、萌子ちゃんのデータをすみからすみまでとりつくしちゃうわよー」
茜さんは、昨日使っていた計測器を取り出すと、楽しそうに私の体を調べる・・・。