第6話 触手に捕らえられた少女
○触手現る
「うっぷ!!うっぷうっぷ!!く、苦しい!!きゃ~~~~~~~~!!」
得体の知れないものが絡み付いて来て、思うように動けない。
それは白っぽくところどころに吸盤のようなものがついている。
時折水中に沈められ息が苦しい。
水上に出た時に必死に息を吸うしかない。
一体どうなったのだ。
一体何が襲ってきたのだ。
球は恐怖におののきながら、巻きついてきた物体に目を向けた。
(白蛇!?それともタコ!?)
生物の本体はまだ確認できないが、白くて太い触手状のようなものであることは確かだ。
触手は球の身体に巻きつき強く締め上げる。
「ううっ・・・く、苦しいよぉ・・・放してぇ・・・」
胴体に巻きついた触手とは別のものが、手脚にも絡みついて来た。
「うぎゃ~~~~~~!!な、なに!?これなに!?は、放して~~~~~!!いやぁ~~~~~!!」
巻きついた触手を叩いたり引っ掻いたりしてみたが、まったく動じない。
触手はヌルヌルとしていて、まるで軟体動物のようで生臭い匂いがする。
(タコなの!?でもこんな大きなタコなんて!!うううっ、このままじゃ絞め殺されてしまう!あぁん、どうしたらいいの!?うう、苦しい!!)
(キュ~~ン!)
どこからともなく不気味な声が球の耳に飛び込んできた。
「な、なに・・・?」
声の主はまもなく球の目前に現われた。
球はそれを見た時、身体が凍りついてしまった。
水中からザバッと現われたものは、ドーム型の頭を持っており目が爛々と光っていた。
「キャ~~~~~!!ば、化け物~~~~~!!いやぁ~~~~~!!」
一見タコのように見えるが、よく見ると全く違った生物であった。
鋭い眼孔は球を捉え、じっと睨みつけている。
それは煌々と黄金色に光輝いていた。
まるで大ダコのような姿の怪物。
時々海に現われ船や人を襲うと言う「海獣クラーケン」の伝説を聞いたことがある。
映画や小説でも時々紹介されているが、球は当然そんな怪物のことなど知るはずもなかった。
胴体だけではなく、ついには四肢にまで何本かの触手が巻きついてきた。
腰のくびれに、細い腕に、よく引締まった太股・・・
球は触手から逃れようと、必死にもがいてみるがビクともしない。
か弱い男ならぶっ飛ばすほど元気でパワーのある球ではあるが、如何せん怪物が相手ではほとんど無力に近かった。
球はグイグイと触手に引き寄せられ、怪物の中心部へと近づいていった。
「いやよ・・・いや・・・こわい・・・食べないで・・・いや、いやあぁ~~~~~~~!!」
球は哀願した。
だがその悲壮な声は、この洞穴内で反響はしても、謙太達の耳に届くはずもなかった。
まるで産婦人科の診療台に横たわっているような格好で拘束されてしまった球。
イソギンチャクと揉み合っている間にブラジャーは外れてしまったようで、今、球が身に着けているものは、パレオ付きのビキニパンティだけであった。
怪物の前ではあっても、強制的に大股開きにされるのは女性にとってはとても屈辱的なことであった。
第6話 触手に捕らえられた少女 ここまで