2018年10月5日。
もうすぐ日付の変わる深夜に直下型の大地震が発生。
震度7相当の強烈な揺れが数回頻発し、数人の高校生達が地下鉄駅構内に閉じ込められてしまうことに。
なぜか誰も救助にやってこない閉鎖的な地下鉄駅構内で、車掌の帽子を被り鉄道乗務員を自称する不思議な少女と出会ったことをきっかけに、特殊な閉鎖空間における人間ドラマが織りなされていくストーリーRPG。
彼ら彼女らが生き埋めにされたままに生きている事実を、まだ世間は誰も知らない……
生き埋めの人達が集まる閉鎖駅
はい、ということで甘黒堂さんの新作紹介になりますー、今回も発売に先んじてテストプレイさせてもらってます!
舞台は地下鉄駅構内+地下鉄列車内、強烈な直下型地震が起こったことによって地下に生き埋め状態になってしまった学生ら7人のドラマになってます。
『地下鉄災害RPG』と題されているのもあってパニック小説風味を想定する人も多いと思うんだけど、終電間際の地下鉄環境という設定にして登場人物をかなり絞っているのもあって、そういった感は抑え目かな。
震度7相当の強烈な揺れに襲われて急停車した列車内で遭遇することになる少女・テツコ。
自称するところの鉄道乗務員ということで車掌の帽子を被っているテツコちゃんの安直直球な名前は偽名なのか本名なのか。ほんわか不思議ちゃんかと思っていたら、語り出したテツ子ちゃんは強烈だもんね/(^o^)\ 怒らせたらマジヤバイ系の子。
主人公となるのはそんなテツコちゃんではなく、少し地味目の和子ちゃんになります。
オープニングでは和子ちゃんが寂しい学生生活を送ってきたことについて語られていて、なかなか不器用なところがあって友達を作ることができないまま、もうすぐ先に学校の卒業や就職を控え、不安にため息を漏らしていた矢先、突然の激しい揺れに襲われてしまうことに。
同じく生き埋めの人達を探索し、合流し、寄せ集まっていた方が良かろうと考えるのは自然な流れなわけなんだけど、テツコちゃん然りで個性派だったり事情をお抱えだったりで……なかなか(汗)
タイトルCGに『――女の子同士だって恋がしたい』と一文盛られている通りで今作は百合な要素が多めなわけなんだけど、男性キャラも登場するし、色恋方面でも活躍してくれるものになってます。
色恋の話しも大切だろうけど、生き埋め状態で救助が来るまで生き延びることも大切なわけで、サバイバルな要素と恋愛要素を絡めて織り込み、こんな生き埋めの状況だからこその恋愛事情を繰り広げてくれるのでした。
……今は生き延びることを優先せいや!(>_<)と思わなくもないところもあるけど、東日本大震災当時に避難所内でもいろいろあったよな~と思い返すと、女の子達の恋愛に掛ける想いの強さはこれくらいで普通なのかもしれない。
もちろん恋愛模様を描いて終わりというわけではないですね。
なんだか変な格好の奴らが現れた時には、テツコちゃんを始め、生き埋めされたまま生きてる全員がブチ切れ対応することに。
……目を見開いて威嚇するテツコちゃんの怖いこと怖いこと。
……味方側にいる間はむしろ頼もしいですが、敵に回したら非常に厄介なことになりそうな。
で、なんでブチ切れしてるのかってのは、製品版本編でどうぞ、と。
ゲームとしては災害によって地下鉄駅構内に孤立した状態での探索がメインになってます。
地下鉄駅構内ということで、ある程度の限られたMAPになってますね。
甘黒堂さん前作の『恋愛バスジャック-昭和63年 久慈樹海 車両転落事件-』のように樹海のあちこちを走り回ったりというのは無くなり、ストーリーを追いやすいです。
ランダムエンカウント制の雑魚戦で戦う相手は自然の生き物達。
戦闘システム周りは前作から引き継いでいて、右手左手の両手に武器を装備すれば通常攻撃が二発となり、またストーリー上ではパーティーメンバーが入れ替わり立ち替わりする中、各種武器の所持数が限られ、それを全員で共用することになってます。
なので、次に誰がパーティーメンバーに入ってくるのか分からないけど、事前に武器を準備しておいてあげないと展開次第では一気に辛くなる仕様。
一人に強力な武器を両手持ちさせてあげたりした場合は、その子が一時的にでもパーティーを離脱したら戦力ダウンが激しいので、武器は数多く所持しつつ、全員でバランス良く散らしてしてあげるのが吉。
エロシーンは本編ストーリー上で回収されていくものになってます。
甘黒堂さんの作品に登場する女の子は貧乳率が非常に高いことになっているんだけど……意外と今作は胸あるんだよね!(>_<)
PVの方で女の子達の胸の大きさが垣間見れるので確認してきてね!
百合カップルによるエロシーンの他、男女によるエロシーンも用意されてます。
今回はアニメーション無しですが、その分テキスト盛り。
さらっと攻略
製品版が発売されてから攻略チャートを追記しようかなと思うんだけど、基本的に詰むような箇所は無いです。
探索MAPの数や広さは抑え気味なので、探索の難易度は低下傾向。
終盤にかけてボス戦などで全員を使っていくことになるので、極端にレベルの低いキャラクターを作らないように満遍なく育成しておくのが吉。
ストーリー進行上でメンバーを強制的に入れ替えさせられ、その時に武器アイテムを装備したまま離脱されることになる仕様なのを理解した上で武器の準備・装備を考慮しておくこと。念のためにセーブは分けておくと尚良さそう。
攻略まで約5時間ちょっと。
回想は各拠点にて。
全解放は無し(クリア時には全て回収できている)。
まとめ・感想
実際に災害に見舞われ、地下鉄駅構内で孤立するようなことになってしまったら――というシミュレーション的な批評なんかは的外れなところがありますね。
作品説明にもある通りで「(閉鎖駅に)閉じ込められた全員が脱出を試みる」という主旨なわけで、『脱出』というのがどういう意味合いになっているのかを考えてあげるのが良さげ。
王道RPGのように諸悪の根源である大魔王をぶっ殺して解決!スッキリ!ってわけではないですが、リアルな平和的な解決ってこれだよなぁと。
プレイ後に今作が『閉じられた物語』なのか『開かれた物語』なのかで感想が分かれそうだけど、「そんなこと知ったことか」と地下鉄が征く。