第8話 アブノーマルなセックス・夫婦で露出フェラチオ
○露出願望は危険な香り
ぷ~ん……プ~ン……ぷ~ん……パチッ!
「あ~ん。また逃げられたッ! もぉっ!」
あたしは、サツキかツツジかヒマワリか全然わからない植え込みの中で、お父さんを睨んだ。
「雪音、まだまだ修行が足りないよ。心頭滅却すれば、蚊の羽音なんて……ちょっと、かゆいなぁ。ぼりぼり」
「だから言ったじゃない。こんな盗撮みたいなマネ。いくらふたりのムードを高めるからって、やりすぎよ。あ~ん。また刺されちゃったぁ。雪音の自慢のお肌が……もう。ぼりぼり」
それから3日後。
あたしとお父さんは、美帆さん夫婦と一緒に駅の東側にある通称『市民公園』へ向かった。
もちろん暗くなってから。
というより、今何時かな?
確かお店を出たのが午後11時半過ぎだったから、もうすぐ日付変更線を越える時間帯よね。
さすがにこの時間になると、公園を散歩する物好きさんもいないと思うけど……
あたしは、木の枝の中から顔だけ出して、周囲を窺ってみる。
一周4キロ? 5キロだったかな?
とにかく広くて、あたしたち市民の憩いの場なんだけど、樹齢何十年、何百年っていう大きな木がうっそうと繁っている。
なんでも、江戸時代にはお殿様のお庭だったようで、こんな所でいかがわしい撮影をするあたしたちって、当時だったら……
磔よ! 打ち首よ! 晒し首よ!
きっと美少女のあたしなんか、その前に変なこともされちゃうかも……? ブルブルブル。
「おい、雪音。なに震えてるんだ? ほら、仕事を始めるよ」
小型のストロボ付き一眼レフカメラを手にしたお父さんが、遊具広場を指差した。
ジャングルジムにブランコ。シーソーに鉄棒に滑り台。
子供の頃にお世話になった昔懐かしい遊具の世界に、全裸で抱き合う男女の姿がある。
そして、あたしの足元には、ふたりの身に着けていた洋服の入ったボストンバッグが……
美帆さんと毅さんは、お父さんからの指示を待っているのか?
広場の端にあるブランコの前でお互いの大切な処を隠すように、身体を密着させたまま人形みたいに固まっている。
「それでは、用意はいいですか? まずは……そうですね。奥さんが旦那様のモノを慰めてみましょうか?」
「な、慰める?」
美帆さんが首だけこっちに向けて聞き返した。
「ええ。ブランコに腰かけた旦那様のアレを、奥さんのあなたが口の中で気持ちよくしてあげるんですよ。要するに、フェラチオです。知っているでしょ?」
それに対してお父さんは、いつもと違う調子で事もなげに応えている。
でもあたしは、知っているんだな。お父さんの秘密。
だって、昨日の夜。徹夜で作ったノートを植込みの中から丸読みしているだけだもん。
「あなた……」「美帆……」
それでもふたりは、軽く頷き合うと互いに回した両腕を離した。
お父さんのアドバイス通りに毅さんがブランコに腰を下ろすと、美帆さんがその前でしゃがみ込む。
和式トイレのスタイルで、ちょっぴり股を拡げて大切な処も覗かせて。
「うふふ、どうしたのよ? 今夜は全然元気ないじゃない。いつものあなたらしくないわよ」
「し、仕方ないだろ。こんなアブノーマルな体験、初めてなんだから」
「もう、あなたがそんな弱気じゃ、いつまで経っても私、妊娠できないわよ。毅も私たちの赤ちゃんを早く見たいでしょう? だから……元気にしてあげる♪ 美帆に任せて……ちゅぷちゅぷ、ちゅぱぁっ……」
「あ、あぁ。そんないきなり……」
美帆さんが、毅さんの股の間に顔を埋めた。
ふにゃりとした肉の棒の根元を指で支えながら、口いっぱいに頬張っている。
「んんむぅ、ちゅぷっ。毅のオチ○チン……はむぅ、どんどん熱くなってるぅ」
「はあぁ、美帆。気持ちいい……」
あたしは、木の枝の隙間からじっと覗いていた。
この前のセックスに続いて、またまた初めてみる男女の行為。
これがフェラチオ?
雑誌とかで知っているけど……知ってはいるけど、お、オチ○チンをくわえるなんて……
できるのかな? あたしにも大切な人ができたら、してあげられるのかな?
カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ……
そんな思いをジャマするように、一瞬世界が白く輝いた。
同時に響くシャッターの連続音。
黒い本体の上に2階建てみたいなライトを取り付けたカメラをお父さんが構えている。
その光に音に動きを止めた美帆さんが、ちょっとだけ顔を引き締めると、またフェラチオを再開する。
やっぱり、美帆さんだって恥ずかしいんだ。
そうよね。いくら深夜の公園だからって、裸のまま男の人のモノを愛しているんだもんね。
それに毅さん。立派な身体の割に、ちょっぴり初心な感じだし、奥さんの美帆さんがリードしなきゃって……
がんばって、美帆さん。
第8話 アブノーマルなセックス・夫婦で露出フェラチオ ここまで
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