ホスト上がりの調教師に連れられて童貞卒業へ


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第二話 ホスト上がりの調教師に連れられて童貞卒業へ

◆失意のどん底で旧友に再会2

 俺はそのでっぷりと太った小柄な男に見覚えはなかった。なのになぜ俺の名前を知っているのだ? 俺がいぶかしんでいると、その男は名前を名乗った。

「貫太だよ、黒岩貫太。小学校で一緒だっただろ?」
「貫太か……」

 俺は思い出したが、残念ながら気持ちが沈んでいるので声は弾まない。それどころか、昔仲の良かった黒岩貫太に再会してもほとんど何の感慨もわかなかった。だが、貫太の方はニコニコと上機嫌で俺のそばにやって来る。小柄だが肥満体で腹がぽっこりと突き出ている様子は、布袋様のようだと思った。コイツ昔はやせていたから、初めなかなか気付かなかったのだ。実の所コイツに会うのは小学校以来だと思うが、その頃はとても仲が良かった。貫太は俺に、せっかくだからこの後付き合え、と言う。俺は正直億劫だったが、もう明日から仕事に行くわけじゃなし、昔の親友に付き合ってやることにした。が、問題は財布の中身だ。

「悪いけど、金は持ってないぞ」
「何、心配するな」
「実は、リストラされちまってな」
「よくあることさ、ハッ、ハッ、ハッ……」

 俺は半ば自棄になっていて、失職してしまったことを思い切って打ち明けたのだが、貫太はその言葉通り、そんなことどうってことないさ、と言わんばかりに笑い飛ばしやがった。コイツは昔からそうだ。小学校ですでに人より頭1つ高い巨体だった俺は、性格的には内向的で神経質。貫太は反対にひょろっとしたチビだったが、明るく社交的なやつだった。要するに見た目も性格も対照的だったのだが、なぜかとても良くウマが合い、一番の親友だったのだ。

 時刻はまだ12時を少し回ったくらいで、次に行った居酒屋で俺たちはこれまでの互いの人生を語り合った。正確にはよくしゃべる貫太の方が、まず一方的に自分の身の上を話したのだが、それは凡人の俺には思いも付かない驚くべきものだった。

「俺の親父ヤクザだろ。だからさ……」

 そうか。小学校の頃はさほど気にしていなかったが、俺たちの住む町は暴力団関係者が多く、貫太の親もそうだと言う噂だったな。何度か家に遊びに行ったことがあるが、割と大きな一軒家だったからチンピラでなくそれなりの地位だったのではなかろうか。別に変わった家ではなかったが、お母さんが着物でケーキを持って来てくれたのでビックリした記憶がある。

「実は中学校もまともに行ってないんだ……」

 仲が良かったくせに、コイツとの思い出が小学校までで途切れているのは、そう言う事情だったのか。貫太は将来親の跡を継ぐべく、中学もロクに行かず修行させられたのだと言う。ヤクザの修行がどんな代物なのかわからないが、同年代の友人と遊べず、次第に嫌気がさして来た貫太は親に逆らい家出する。

「まあ、後から思えば、親父は俺の反抗もお見通しで、ずっと手下に見晴らせて遊ばされてたんだよな。でなきゃのたれ死んでたかも知れねえよ……」

 その後の話が凄い。家出しても生活する術を持たない貫太は、何と自分から売り込んでホストになったと言うのだ。

「ホストって……本当か?……」

 俺がヤツの太鼓腹をまじまじと見つめながらそう反応すると、貫太は笑いながら答えた。

「その頃はやせてたんだよ!」

 ううむ。確かに昔と体型は違うのだろうが、俺の頭にある「イケ面」と言うホストのイメージと貫太はどうしても重ならない。明るく面白いキャラだから女子にも人気があったが、顔はどう見てもお笑い系で、まだ俺の方がマシだと思ってたくらいだ。するとそんな俺の気持ちを見透かしたように貫太は言う。

「あのなあ、ホストと言ったって皆が皆イケ面じゃねえんだよ。俺は若さと明るさでお笑い系のホストとして売り出したのさ……ま、わかるだろ、親父の差し金だったんだ。ああ言う業界とか風俗関係なんかは、全部ヤクザと繋がってるんだ。だけど、おかげでずいぶん女とヤラせてもらって、いい思いをしたよ。親父の思惑通りとも知らず、毎日女の歓ばせ方を研究して、修行した」

 お笑い芸人は女性にとてもモテるらしいから、案外「お笑い系ホスト」と言うのも通用するのかも知れない。その通りだとすれば実に羨ましい話だ。それに比べて、40を過ぎても童貞と言う俺の人生は、何と悲惨なのだろう。俺はヤツのホスト話を聞いて、嫌な表情をしていたらしい。貫太はここで俺の肩をいきなり叩いて言った。

「どうした、そんな暗い顔をして……ははん、女か? リストラされただけじゃなくて、女のことでも悩んでるんだろ。後で聞いてやるよ。お前どうせ独り身だろ?」

 貫太は実に鋭かった。やはりホストをやっていたと言うだけあって、万事鈍感な俺と違い人間観察に長けているのだろう。俺が、ああ、と生返事を返すと、ヤツはさらに自分の身の上話を続けた。若い頃は大人気だったらしい貫太だが、30歳を過ぎた頃から次第に通用しなくなり、お払い箱になる。そこでずっと「遊ばせて」いた暴力団から再び声が掛かり、結局親父さんが幹部を務める組の「調教師」として収まり今に至るのだと言う。俺は情けない童貞だが、女性への興味は人一倍強い方だと思う。いつの間にか大いにヤツの話に引き込まれていた俺は質問した。

「調教師って、何をやるんだ?」
「そりゃお前、ワケあり女の調教さ。例えば、旦那が借金でクビの回らなくなった奥さんを、金を作るために風俗で働かせるとする。だが変に貞操観念を持ってたりすると使い物にならない。すると組に連れて来られて、俺がこってりかわいがり、セックスが大好きなスケベ女に調教してやるんだ」
「なるほど」
「興味あるだろ? 実は今も調教してる女がいるんだ。良かったら、見に来てくれよ」
「いいのか?」
「ああ。実はそうしてもらうと俺も助かる。女ってのは、えっちしてる所を別の男に見られると、より一層興奮するもんだからな」

 泥酔していたにも関わらず、ヤツの話を聞きながら俺はズボンの前をはっきりと膨らませていた。貫太はそれを観察して俺を誘ったのかも知れない。酔い醒ましにゆっくり歩いて行き、その道すがら今度は俺の話を聞かせることになった。貫太は店の支払いをしてくれたのだが、その時出した札入れは随分分厚かったので、暴力団の調教師と言うのは羽振りが良いらしい。

 貫太から突っ込んだ身の上話を聞かされ、今から調教師としての仕事現場まで見せてくれることになって、俺も昔のようにコイツに心を開く気になり、情けない人生と今置かれた状況を包み隠さず語っていった。貫太も相槌を打ちながら熱心に聞いてくれ、一通りのことを聞き終えると言った。

「そうか。エライ目に遭ったわけだ。で、その女とよりを戻したいんだな? 俺が手伝ってやるよ」
「いや、そこまで考えちゃいないよ」
「どうして? このままじゃお前、ただの負け犬だぞ」
「別に彼女と婚約してたわけじゃない」
「プロポーズするつもりだったんだろ?」
「受けてくれるかどうか、わからないし」
「煮え切らないヤツだな! 悔しくないのか、寝取られたようなもんじゃないか」
「い、いや、その……」

 寝取られ、という言葉に俺は動揺を隠せなかった。頭の中の妄想では幾度となく愛華さんを犯しているが、現実にはキスをしたことすらないのだ。なのに俺は、何度かデートを重ねただけで、愛華さんも俺を愛しているに違いないし、プロポーズすれば受け入れてくれるだろうと勝手に考えていたのだ。はたから冷静な目で見れば、とんだピエロではないか。

「まさか、その女を抱いてもない、と言うんじゃないだろうな?」
「いや、そのまさかだ。笑うなよ、俺は童貞だからな」
「そうか……」

 俺は自己嫌悪に陥って、童貞だと言う恥まで告白したのだが、意外にも貫太は笑ったりせず、逆に真剣な表情になった。俺は昔の親友が、俺のことを思いやって傷付けないようそういう態度を取ってくれたのを感じ、胸が熱くなる。やっぱり持つべき物は親友だ。

「じゃあ、俺がお前にその女を抱かせてやるよ。晴れて童貞卒業だ」
「……無理だろ」
「任せなよ。ダテにこんな仕事やってるわけじゃない」

 そこまで話したところで、ヤツの仕事場だと言う、老朽化したアパートにたどり着いた。



第二話 ホスト上がりの調教師に連れられて童貞卒業へ ここまで

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